これまではソーシャルメディアは共感で人と出会える場だと思って続けてきた。それは危機意識の強さ、本質に対する感度の高さ、好奇心の強さ、など様々なコンタクトポイントに対して、些細な一言から一定の価値を感じ得たからだったのかもしれない。最近ではこういう面白さを感じない。おそらく余りにも多くの人が利用していること、ブログと何ら変わらないものとして利用する人が増えたこと、短期間で結果の出るビジネスツールとして使えると勘違いしている人などが増えたからかもしれない。
ソーシャルメディアの外向きの力はすでに著名人のものとなってしまった。これからは内向きの力を高め、組織としての利用による効果を発揮していく時期に来ている。スマートフォンの普及やNFCのiPhone搭載などが揃えばヨーイドンだ。
現在のような普及期に途中から来て果実を収穫するかのようにツールで稼ごうとする人もこれからは増えるだろう。黎明期に自らの成長を遂げた人々が得た学びとは全く違う学びだ。その差は年月を経て大きくなる。これまでの自分を変えることなく、ツールとしてソーシャルメディアを取り入れているようなところには本当の果実はならないだろう。本質はそれを使うことではないからだ。この黎明期で自分の何が変わったかを学ぶべきだ。そして、黎明期にソーシャルメディアに触れずにきた人々は少なくとも数冊のソーシャルメディアの歴史を感じとれる本を読むか、その本質を学ぶ機会を得るべきだ。これは遊び道具ではない。説明書もない。インターネットやモバイルツールの本当の力が開花し始めているのである。あらゆるルールが覆されていく時代だ。一時的に起こる unruled な世界観。怖がらずに楽しんでいきたい。